無色マナ入りのマナベースについて考える ~無色は実質6色目!~
2016年1月8日 TCG全般 コメント (3)
ゲートウォッチの誓いの発売日も迫ってきて、カードも大方公開された頃
みなさま、次環境のデッキをせっせと考えている頃だと思います。
今回は「無色マナ」という新しい概念のマナが出来上がり、
その無色マナを利用するカードで強力なカードも多いため、
どのようにしてデッキを組むか悩んでいる所ではないでしょうか。
かく言う僕も、いざ組んで見ると「無色マナ」の扱いに少し戸惑いましたので
整理もかねて、無色マナを組み込んだマナベースについて語ってみたいと思います。
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■前提:無色マナとは何か
公式ページに載っていますが、かいつまんで特徴を書くと
http://mtg-jp.com/reading/translated/0016266/
http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0016269/
・シンボルは「◇」
・アルファベット表記は"C"
・無色マナでのみ支払うことが可能
ちょっと直感的ではない挙動かもしれませんが、
今までは「不特定マナ」として扱われていたものが「無色」として要求される形となっています。
そのため、例えば基本地形の島から出たマナは青色のマナであるため、これに充てることは出来ません。
今までの書式では「土地から発生した不特定マナ」、これからの書式では「◇のマナ」で支払うことが可能です。
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■無色マナの厳しさについて
「無色マナは、無色だから何となくタッチは容易に出来るのかな」
「0.5色くらいで見ておけば良いのかな」
などいった話が散見されますが、結論から言うと
「無色マナは、他の色よりも使いにくい6色目の色」だと思ってください。
赤黒+無色のデッキは、赤黒白の3色デッキよりもマナベースが厳しいです。
3色+無色や、ましてや4色+無色などは想像以上に厳しいと思って下さい。
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■なぜ、厳しいのか?
無色マナがそこまで厳しい理由としては、特殊地形の制限の厳しさにあります。
従来までの色マナはフェッチランド+バトルランドで実質1枚の土地から4色アクセス可能だったり
3色タップインランド、2色ミシュラン、2色ダメランなどが豊富に存在したため
気軽に4色いけたり、5色白日が出来たり、一種のやりたい放題状態でした。
無色マナについては、「無色マナだけが出る土地」であれば掃いて捨てるほどあるのですが、
無色を含んだ2色地形換算できる土地があまり存在しないという現実があります。
どれくらい厳しいかがよく分かるように、
ゲートウォッチの誓いも含めた無色に関係する土地を以下に書き出しました。
限定的な色マナについては、ほぼ専用デッキでの運用となるためこれまた難しそうで
非常に厳しいのがよくわかりますね。
《崩壊する痕跡》や《未知の岸》等の土地の使い勝手は実際に使ってみないと何とも言えませんが、
無色マナを使う場合は、ほぼ無色1色しか出ない土地を使うことを強制される
ということとイコールになるというのは覚えておく必要があります。
従来の3色デッキは、「1色しか出ない土地」はフェッチから持ってくる数枚のみで、
他の土地はすべて2色~3色換算が可能だったという事実と比べると、
1色換算しかできない土地が多い無色は非常に厳しいのがよく分かります。
また、友好2色の組み合わせではダメランすら使えないので、
かなり採用しうる土地が絶望的になるのがわかるでしょうか。
(これが、赤黒+無色が、赤黒白よりも組みにくい理由です)
更に補足すると、無色は現在の主流である「フェッチランド+バトルランド」のマナ構成ととても相性が悪いのも向かい風。
フェッチランドの恩恵を《荒野》は全く受けられない上、
《荒野》以外の無色地形やバトランを増やすと、それだけバトルランドのアンタップインが遠のきます。
ただ、ダメランを8枚自然な形で採用できる楔3色については、
それだけで無理なく無色地形を8枚確保できるので、
もしかすると、楔三色+無色という形は意外に実現可能性が高いかもしれません。
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■改めて必要枚数を考えてみると…
さて、無色地形がいかに厳しいかを考えた上で、実際にデッキを組む想定をしてみましょう
《現実を砕く者》(4マナ無色)と《現実の破壊者》(5マナ無色)をそれぞれデッキに入れるとして
僕が以前作成した確率早見表↓ と照らし合わせると
https://docs.google.com/spreadsheets/d/192iKObI-L43f7UKgdmtmLKUhiP3xXhe-tnt1vjsLIOk/edit?usp=sharing
「4T目に少なくとも90%以上の確率で無色を出すためには、12枚のカードが必要」という結果となります。
上記で挙げた無色を発生させる土地カード、さて、12枚も入れられますか?
…ここから先は具体的なデッキの内容との相談になるので、上記の早見表をもとに頑張って考えてみてください。
少なくとも、無色のカードは軽い気持ちで触れるようなものではなく
「現在のマナベースをひっくり返して6色目として考える」「諦めて黒白+タッチ無色に留める」といった、
ある程度の覚悟が無いと無色が使えないのは雰囲気として伝わったかなーと思います。
以上、現時点での無色マナに対するアレコレでした。参考になれば幸いです。
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■おまけ
今回は、マナベースを整えるという意味で土地のみに着眼しましたが、
無色マナはクリーチャーやアーティファクト、特にエルドラージ・末裔トークンからも生まれます。
そのため、実際には土地だけではなくもう少しゆるくデッキを作成できるかもしれません。
《空中生成エルドラージ》→《現実を砕く者》なんていう動きは、単体でも強く、ハマった時には更に強そうで是非使いたいギミックだと思っています。
みなさま、次環境のデッキをせっせと考えている頃だと思います。
今回は「無色マナ」という新しい概念のマナが出来上がり、
その無色マナを利用するカードで強力なカードも多いため、
どのようにしてデッキを組むか悩んでいる所ではないでしょうか。
かく言う僕も、いざ組んで見ると「無色マナ」の扱いに少し戸惑いましたので
整理もかねて、無色マナを組み込んだマナベースについて語ってみたいと思います。
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■前提:無色マナとは何か
公式ページに載っていますが、かいつまんで特徴を書くと
http://mtg-jp.com/reading/translated/0016266/
http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0016269/
・シンボルは「◇」
・アルファベット表記は"C"
・無色マナでのみ支払うことが可能
ちょっと直感的ではない挙動かもしれませんが、
今までは「不特定マナ」として扱われていたものが「無色」として要求される形となっています。
そのため、例えば基本地形の島から出たマナは青色のマナであるため、これに充てることは出来ません。
今までの書式では「土地から発生した不特定マナ」、これからの書式では「◇のマナ」で支払うことが可能です。
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■無色マナの厳しさについて
「無色マナは、無色だから何となくタッチは容易に出来るのかな」
「0.5色くらいで見ておけば良いのかな」
などいった話が散見されますが、結論から言うと
「無色マナは、他の色よりも使いにくい6色目の色」だと思ってください。
赤黒+無色のデッキは、赤黒白の3色デッキよりもマナベースが厳しいです。
3色+無色や、ましてや4色+無色などは想像以上に厳しいと思って下さい。
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■なぜ、厳しいのか?
無色マナがそこまで厳しい理由としては、特殊地形の制限の厳しさにあります。
従来までの色マナはフェッチランド+バトルランドで実質1枚の土地から4色アクセス可能だったり
3色タップインランド、2色ミシュラン、2色ダメランなどが豊富に存在したため
気軽に4色いけたり、5色白日が出来たり、一種のやりたい放題状態でした。
無色マナについては、「無色マナだけが出る土地」であれば掃いて捨てるほどあるのですが、
無色を含んだ2色地形換算できる土地があまり存在しないという現実があります。
どれくらい厳しいかがよく分かるように、
ゲートウォッチの誓いも含めた無色に関係する土地を以下に書き出しました。
【無色マナのみが出る土地】汎用的に使えるのはダメランの次に使えそうなのが《未知の岸》(何と脅威の6色換算!)
・荒野
・荒廃したシリーズ5種類
・領事の鋳造所
・魔道士輪の魔力網
・ならず者の道
・ウギンの聖域
・見捨てられた神々の神殿
・繁殖苗床
・精霊龍の墓
・鏡の池
・オラン=リーフの廃墟
・海門の残骸
【無色マナ+色マナが出る土地】
・ダメラン5種類
・進化する未開地
・未知の岸
・崩壊する痕跡
【無色マナ+限定的な色マナが出る土地】
・精霊龍の安息地(ドラゴン限定)
・精霊龍のるつぼ(ドラゴン限定)
・同盟者の宿営地(同盟者限定)
・廃集落(欠色限定)
限定的な色マナについては、ほぼ専用デッキでの運用となるためこれまた難しそうで
非常に厳しいのがよくわかりますね。
《崩壊する痕跡》や《未知の岸》等の土地の使い勝手は実際に使ってみないと何とも言えませんが、
無色マナを使う場合は、ほぼ無色1色しか出ない土地を使うことを強制される
ということとイコールになるというのは覚えておく必要があります。
従来の3色デッキは、「1色しか出ない土地」はフェッチから持ってくる数枚のみで、
他の土地はすべて2色~3色換算が可能だったという事実と比べると、
1色換算しかできない土地が多い無色は非常に厳しいのがよく分かります。
また、友好2色の組み合わせではダメランすら使えないので、
かなり採用しうる土地が絶望的になるのがわかるでしょうか。
(これが、赤黒+無色が、赤黒白よりも組みにくい理由です)
更に補足すると、無色は現在の主流である「フェッチランド+バトルランド」のマナ構成ととても相性が悪いのも向かい風。
フェッチランドの恩恵を《荒野》は全く受けられない上、
《荒野》以外の無色地形やバトランを増やすと、それだけバトルランドのアンタップインが遠のきます。
ただ、ダメランを8枚自然な形で採用できる楔3色については、
それだけで無理なく無色地形を8枚確保できるので、
もしかすると、楔三色+無色という形は意外に実現可能性が高いかもしれません。
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■改めて必要枚数を考えてみると…
さて、無色地形がいかに厳しいかを考えた上で、実際にデッキを組む想定をしてみましょう
《現実を砕く者》(4マナ無色)と《現実の破壊者》(5マナ無色)をそれぞれデッキに入れるとして
僕が以前作成した確率早見表↓ と照らし合わせると
https://docs.google.com/spreadsheets/d/192iKObI-L43f7UKgdmtmLKUhiP3xXhe-tnt1vjsLIOk/edit?usp=sharing
「4T目に少なくとも90%以上の確率で無色を出すためには、12枚のカードが必要」という結果となります。
上記で挙げた無色を発生させる土地カード、さて、12枚も入れられますか?
…ここから先は具体的なデッキの内容との相談になるので、上記の早見表をもとに頑張って考えてみてください。
少なくとも、無色のカードは軽い気持ちで触れるようなものではなく
「現在のマナベースをひっくり返して6色目として考える」「諦めて黒白+タッチ無色に留める」といった、
ある程度の覚悟が無いと無色が使えないのは雰囲気として伝わったかなーと思います。
以上、現時点での無色マナに対するアレコレでした。参考になれば幸いです。
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■おまけ
今回は、マナベースを整えるという意味で土地のみに着眼しましたが、
無色マナはクリーチャーやアーティファクト、特にエルドラージ・末裔トークンからも生まれます。
そのため、実際には土地だけではなくもう少しゆるくデッキを作成できるかもしれません。
《空中生成エルドラージ》→《現実を砕く者》なんていう動きは、単体でも強く、ハマった時には更に強そうで是非使いたいギミックだと思っています。
コメント
もし今の環境みたいなフェッチバトルランドではなく、フィルターランドみたいなおまけで無色だせる土地の環境だとまた大きくかわるのかも。
高速ビートなら崩壊する痕跡、中速以下なら抵抗者の居住地を使うと多少は色マナを緩和できる……のかな?