GP横浜こぼれ話 競技レベルでの不正な状況の処理について
2012年6月25日 TCG全般 コメント (17)前日のRUGのデッキ解説をしたくてたまらないのですが
それ以上に気になったことがあったので、ちょっと記事にします。
今回のGP横浜でわりと話題になってたのが「観客の指摘について」
http://mtg-jp.com/reading/wpn/003366/
こちらに記事がまとめられているので、詳細は読んでいただくとして
簡単にまとめると、競技レベル以上の場合は
かなり厳しい上に、”悪意を持ったプレイヤー”にも有利になりかねない
(WMCQ大阪では「トラフトの天使トークン事件」(※後述)なんてのも発生しましたし)
これについて、身内の中でもかなり意見が分かれたのですが、
自分の解釈としては
「競技レベルに出るようなプレイヤーは、当然ルールは熟知する必要がある。
自分の行うプレイは全て適正かつ厳密に行われるべきであり、
仮に不注意で不正になった場合でも、それは自己責任なので
その状況がゲーム的には間違っていても、巻き戻し等の措置を講じることはない。」
というWizardsからの意見なのかなと思って、それはそれでアリかと思っていました。
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ただ、先日のGP横浜の準決勝で行われたやりとりを見て、ちょっと疑問が沸きました
http://coverage.mtg-jp.com/gpyok12/article/003512/
詳細はこちらなのですが
かいつまんで説明をすると
・本来死んでる筈の《根の壁》が死んでなかった
・その事に両プレイヤー、ジャッジ、観客皆が気付かずゲームを進行させていた
・結果、そのまま勝負が決まり、両者はデッキを片付けた
・が、その後「《根の壁》死んでるんじゃね?」と観客から指摘が入る
・調べた結果、本来は死んでいたことが判明
・議論の結果、写真や観客の証言をもとに、可能な限り状況を復元して試合再開
…という次第になったらしいです。
高位ジャッジが数十分悩んだ末に出された結論なので、
いちプレイヤーである自分が口を挟む余地が無いのは分かってはいるのですが
これって、裁定の意図としては
「プレイヤーが気付いていなかったのは明らかな過失だが、
ゲームとしては不正な状況なので、その状況で試合を進めるのは好ましくない
ゲームは可能な限り適正なルール下におかれた状況で進めるべき」
…っていうことですよね?
-----------------
かたや
「不正な状況になっても、巻き戻すことはない」
かたや
「不正な状況はよくない、手間がかかっても巻き戻すべき」
という、ある種のダブルスタンダードに見えてしまうのですが、
ウィザーズの方針としては、プレイヤーに対してどういうスタンスを求めてるんでしょうか…。
--------------
一応、マジック・ザ・ギャザリング違反処置指針を参照してみると
http://mtg-jp.com/rules/docs/JPN_IPG_20120412.html
上記のGP横浜の事例は
>3.6. ゲーム上の誤り ─ その他一般のゲームルール抵触行為
>例:
> (C) 致死ダメージを受けたクリーチャーを墓地に置かないままにしていて、数ターン後に気付いた。
という結果にモロに該当して、この件については
>誤りに気付くべき時間内に見つけることができ、状況が充分単純であって巻き戻すことができる場合、ジャッジはヘッドジャッジの許可を得て、誤りが発生した時点までゲームを巻き戻してもよい。
>誤りを気付くべき時間内には気付けなかった場合、あるいは状況が複雑で巻き戻せない場合には、ジャッジは、ゲームの状態をそのままにして、状況起因処理を適用した上でゲームを続けさせるべきである
…と記述があります。
「ジャッジが見ている中で、両プレイヤーが納得の上でゲームの決着が付き、カードを片付けた」
というのは、個人的な主観では
・誤りを気付くべき時間内をとうに過ぎており
・状況が複雑で巻き戻せない場合
…に相当すると思うのですが、どうなんでしょう。
--------------
ちなみに、この問題にひっかかってる理由ってのが
かの有名な「トラフトの天使トークン事件」なんですが、
大阪のMWCQで起こった事件で
ジャッジの裁定いわく「トラフトの天使トークンは出ないまま続けてください」とのこと。
確かに、厳密に言えば天使トークンを出ることを宣言しなかったのは過失ですが
・トラフトの天使トークンが出るのは強制
・天使トークンを用意して出す前にブロッククリーチャー指定は
手順の省略として往々にして有り得るシチュエーション
(トラフトつかってる人が、天使出し忘れるとか通常考えられない)
・一方的に相手が得しかしない言い分
(断定は出来ないけど、得をしようとして発言したと取れる)
以上のことから、そこまで厳しく取るものなのか? と疑問があったのですが
それがウィザーズの「プレイヤーはルールに厳格でなければならない」
というスタンスであれば、一応の納得もできます。
ただ、今回のGP横浜の準決勝の事例を見ると、
「やっぱり適切な状況でゲームをするべき」という風にもとれるので、
トラフト天使の件と併せて考えると、びみょんな気分になってしまうのです。
----------------
似たような事件で、S団長の「月銀の槍事件」ってのもあって
さすがにこれはジャッジ裁定で天使トークン出たらしいですが。
なんかこう、あわよくばゴネ得みたいなのは競技としては面白くないなぁと思います。
----------------
普段あんまルールに詳しくもないようないちプレイヤーの戯言でした。
個人的には、トラフトの天使トークンが出ないような雰囲気のゲームはやだなぁ、と思います。
まぁ、文中にも書いたとおり
自分よりも知識も経験もあるジャッジの方が出された裁定なら、それが正になる、というのが前提にはあると思います。
それ以上に気になったことがあったので、ちょっと記事にします。
今回のGP横浜でわりと話題になってたのが「観客の指摘について」
http://mtg-jp.com/reading/wpn/003366/
こちらに記事がまとめられているので、詳細は読んでいただくとして
簡単にまとめると、競技レベル以上の場合は
・誘発型能力について、観客は指摘してはならない
・ジャッジも指摘してはならない
・プレイヤーも必ずしも指摘する必要はない?(ちょっと怪しい?)
・仮に後で気付いても巻き戻しや場の修正は行わない
かなり厳しい上に、”悪意を持ったプレイヤー”にも有利になりかねない
(WMCQ大阪では「トラフトの天使トークン事件」(※後述)なんてのも発生しましたし)
これについて、身内の中でもかなり意見が分かれたのですが、
自分の解釈としては
「競技レベルに出るようなプレイヤーは、当然ルールは熟知する必要がある。
自分の行うプレイは全て適正かつ厳密に行われるべきであり、
仮に不注意で不正になった場合でも、それは自己責任なので
その状況がゲーム的には間違っていても、巻き戻し等の措置を講じることはない。」
というWizardsからの意見なのかなと思って、それはそれでアリかと思っていました。
-------------------------
ただ、先日のGP横浜の準決勝で行われたやりとりを見て、ちょっと疑問が沸きました
http://coverage.mtg-jp.com/gpyok12/article/003512/
詳細はこちらなのですが
かいつまんで説明をすると
・本来死んでる筈の《根の壁》が死んでなかった
・その事に両プレイヤー、ジャッジ、観客皆が気付かずゲームを進行させていた
・結果、そのまま勝負が決まり、両者はデッキを片付けた
・が、その後「《根の壁》死んでるんじゃね?」と観客から指摘が入る
・調べた結果、本来は死んでいたことが判明
・議論の結果、写真や観客の証言をもとに、可能な限り状況を復元して試合再開
…という次第になったらしいです。
高位ジャッジが数十分悩んだ末に出された結論なので、
いちプレイヤーである自分が口を挟む余地が無いのは分かってはいるのですが
これって、裁定の意図としては
「プレイヤーが気付いていなかったのは明らかな過失だが、
ゲームとしては不正な状況なので、その状況で試合を進めるのは好ましくない
ゲームは可能な限り適正なルール下におかれた状況で進めるべき」
…っていうことですよね?
-----------------
かたや
「不正な状況になっても、巻き戻すことはない」
かたや
「不正な状況はよくない、手間がかかっても巻き戻すべき」
という、ある種のダブルスタンダードに見えてしまうのですが、
ウィザーズの方針としては、プレイヤーに対してどういうスタンスを求めてるんでしょうか…。
--------------
一応、マジック・ザ・ギャザリング違反処置指針を参照してみると
http://mtg-jp.com/rules/docs/JPN_IPG_20120412.html
上記のGP横浜の事例は
>3.6. ゲーム上の誤り ─ その他一般のゲームルール抵触行為
>例:
> (C) 致死ダメージを受けたクリーチャーを墓地に置かないままにしていて、数ターン後に気付いた。
という結果にモロに該当して、この件については
>誤りに気付くべき時間内に見つけることができ、状況が充分単純であって巻き戻すことができる場合、ジャッジはヘッドジャッジの許可を得て、誤りが発生した時点までゲームを巻き戻してもよい。
>誤りを気付くべき時間内には気付けなかった場合、あるいは状況が複雑で巻き戻せない場合には、ジャッジは、ゲームの状態をそのままにして、状況起因処理を適用した上でゲームを続けさせるべきである
…と記述があります。
「ジャッジが見ている中で、両プレイヤーが納得の上でゲームの決着が付き、カードを片付けた」
というのは、個人的な主観では
・誤りを気付くべき時間内をとうに過ぎており
・状況が複雑で巻き戻せない場合
…に相当すると思うのですが、どうなんでしょう。
--------------
ちなみに、この問題にひっかかってる理由ってのが
かの有名な「トラフトの天使トークン事件」なんですが、
大阪のMWCQで起こった事件で
プレイヤーA:トラフトでアタックします
プレイヤーB:はい、ブロッククリーチャー指定に入っていいですか
プレイヤーA:はい
プレイヤーB:あなた天使トークンを出すと宣言していないので天使トークン出ませんね
プレイヤーA:えー!?
ここでジャッジコール
ジャッジの裁定いわく「トラフトの天使トークンは出ないまま続けてください」とのこと。
確かに、厳密に言えば天使トークンを出ることを宣言しなかったのは過失ですが
・トラフトの天使トークンが出るのは強制
・天使トークンを用意して出す前にブロッククリーチャー指定は
手順の省略として往々にして有り得るシチュエーション
(トラフトつかってる人が、天使出し忘れるとか通常考えられない)
・一方的に相手が得しかしない言い分
(断定は出来ないけど、得をしようとして発言したと取れる)
以上のことから、そこまで厳しく取るものなのか? と疑問があったのですが
それがウィザーズの「プレイヤーはルールに厳格でなければならない」
というスタンスであれば、一応の納得もできます。
ただ、今回のGP横浜の準決勝の事例を見ると、
「やっぱり適切な状況でゲームをするべき」という風にもとれるので、
トラフト天使の件と併せて考えると、びみょんな気分になってしまうのです。
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似たような事件で、S団長の「月銀の槍事件」ってのもあって
S団長:《月銀の槍》を付けたクリーチャーでアタックします
S団長:天使出します、ちょっと天使トークン探します(ごそごそ)
相手:ブロッククリーチャー指定していいですか?
S団長:(ごそごそ)どうぞ
相手:じゃあもうフェイズ移ったので天使トークン出ませんね
さすがにこれはジャッジ裁定で天使トークン出たらしいですが。
なんかこう、あわよくばゴネ得みたいなのは競技としては面白くないなぁと思います。
----------------
普段あんまルールに詳しくもないようないちプレイヤーの戯言でした。
個人的には、トラフトの天使トークンが出ないような雰囲気のゲームはやだなぁ、と思います。
まぁ、文中にも書いたとおり
自分よりも知識も経験もあるジャッジの方が出された裁定なら、それが正になる、というのが前提にはあると思います。
コメント
同意です。いくら厳密に行なうべきとは言え、ゲームの再開はやりすぎだと感じます。
天使トークンの場合、丁寧にトークンの準備をすべきとも思いますが、対戦相手側も最低限分かってあげるスタンスも重要かと。まぁ、相手のゲームロス等自分の有利を躍起になって探すスタンスの人は、到底“上手い”プレイヤーにはなれないとも思います。
長々すみませんでした。
興味深い内容でした。遅ればせながらリンクさせていただきました、よろしくお願いします。
天使の件は個人的にはギャザはスポーツとかと同じように互いの合意で進んでほしいと思うのできついなーと思います実際
意味不明ですいません
つまるところ、準決勝という時間のとれ、正確な再現ができる状況であれば、『複雑な状況』にはあたらないとすべきということなのでは。
S団長のケースは完全に天使を出しますと宣言しているのでその準備に多少時間がかかったとしても既にスタック上にあるので解決されればトークンが出るってことですね。
トラフトの天使トークン事件の場合、相手の悪意が透けて見えるのでなんとも言い難いですが、「厳密に」解釈すれば天使トークンは出ないのでしょうね。失効能力というカテゴリは「強制」誘発であることを免罪符にオーナーの怠慢を許さないということなのでしょうか。
キリキリした緊張感の競技でならば分かる話かもしれませんね。
個人的には「許可を与えないことはルール上は適正なのでスタックに積む許可を与えない」と主張するプレイヤーには非紳士的という裁定を出したい私は競技ジャッジとしてはたぶん失格なのでしょうw
ただごく最近も「魂の洞窟からマナを出す時にどの色を出すかを宣言しなくて他の土地からその色が出せる場合には無色マナを出したものとして扱う」という裁定が180度ひっくり返ったので、たぶんこれ裁定が変わるような気もします。不自然だもん。
ここが一番気になるんだけどwwwwwwwww
そのプレイヤーの内心が、自分に有利になるために指摘しなかったのか、それとも誘発をスタックに積むべきプレイヤーが忘れていたのと同様に気がついていないための不作為だったのか、すっとぼけられたら証明できないですから。
ゴネ得は良くないよねぇ。 何より単純にゲームがつまらなくなると思う。
(指摘や揚げ足取りが得だった時代)
タップコストとマナのタップを両方同時に行ったらジャッジ呼ばれて
コストの支払いと認められなかった等々・・・
月銀の槍事件は完全に「天使出します」と明確に宣言しているのでこれは出ますね。逆に相手プレイヤーにはジャッジが非紳士的行為が出てもおかしくはないと思います。完全に悪意が有りますからね。
トラフトの天使トークン事件については今の競技レベルだとなんと言えないですね。但し、今まで黙認していたのに、その時だけ指摘した場合は悪意が有ると捉えられてもおかしくないと思います。
ジャッジが卓で監視していながら根の壁の死亡に気づかなかった点はミスジャッジだと思います。
そのミスジャッジのケツを拭くために写真判定まで用いて巻き戻しを行ったのは英断だったんじゃないでしょうか。
トラフトの話は初めて見ましたが誘導尋問みたいでこわいですね…。
絶対にルール通りに進行する、
間違いがあれば巻き戻すって方針らしいですよ。
「フィーチャーテーブルだから巻き戻った」って結論で良いとおもいます。
ちなみに、トラフトとかの相手のマストの過失をわざと見逃すと言うのは
かなり重い裁定だった気がします。