デッキ構築劇場:《方解石のカミツキガメ》 と エスパーコン
2010年2月15日 TCG全般 コメント (10)
chapter1.慢心
まずは、このデッキレシピを見て欲しい。
僕が先日GTPクアラルンプールで使用したレシピだ。
このデッキを称するとするのならば…「札束エスパー」とでも言うべきだろうか。
超高額カードである《悪斬の天使》に加え、《深淵の迫害者》《精神を刻む者、ジェイス》など
とにかく高額で、カードパワーが高いカードばかりを詰め込んだ構成となっている。
醜い。
あまりにも醜いデッキであるといえよう。
このデッキの勝ち手段とは何か?
《審判の日》で盤面を吹き飛ばし
《深淵の迫害者》を展開し
更に《悪斬の天使》を展開して、殴りきる。
ビートダウンともコントロールともつかない。
ただ単体のカードパワーが高いだけの中途半端なデッキだ。
と、言うよりは
単なる《悪斬の天使》をぶっぱするだけのデッキと成り下がってしまっている。
勝つ時は《悪斬の天使》が除去られなかった時であり、
負ける時は《悪斬の天使》が除去られた時、
…という、非常にくだらないデッキとなってしまった。
このレシピの結果は2-2だったが、回しているうちにデッキの歪みに気がつき、その日の内に解体した。
-------
chapter2.原点
エスパーコンのそもそもの理念は、被覆(※1)だ。
《否定の壁》と《ジュワー島のスフィンクス》の被覆クリーチャーで相手の除去を腐らせ、
グダった後に《自我の危機》で相手の手札を吹き飛ばし自分の優位を絶対的する。
その後は、各種PWや《ジュワー島のスフィンクス》、《悪斬の天使》で勝利を掴む。
だが、今はどうだ。
「《悪斬の天使》が生き残っていれば勝てる」という甘えに負けて悪斬を4積みし、
単純にカードパワーが高いというだけの理由で閣下を搭載。
その結果、本来クリーチャー除去を腐らせる事が目的だったはずのエスパーコンが
クリーチャー除去が非常に刺さるデッキに変貌を遂げてしまった。
《悪斬の天使》《深淵の迫害者》といった目先のパワーカードに心を奪われ、
デッキそのものが崩壊してしまっていたのだ。そのような歪んだデッキで勝てようはずもない。
------
chapter3.目覚め
一旦はデッキを解体した僕だが、悪魔たる閣下の魅力に取り憑かれてしまった僕は、
なかなかどういう形でデッキを組み直せば良いのか、分からずにいた。
そんな僕の目を覚ましてくれたのは、コイツ…。
《方解石のカミツキガメ/Calcite Snapper》である。
ワールドウェイクが出た後、一部の間では注目されていたこのカード。
1/4被覆というエスパーコンの魂を体現化した能力で、鉄壁の防御力を誇る。
更に青いヒヨケムシの異名を取り、ボロスの魂も持ち合わせる、恐るべきクリーチャーである。
(参考文献:http://52378.diarynote.jp/201002031609482008/ みつひでさんのDN)
ジャンド相手には最強の盾となり、コントロールミラーでは最強の矛となる。
そう、エスパーコンの最後の1ピース、それは…《方解石のカミツキガメ》だったのだ!
------------
chapter4.再構築
悟りを開いた僕は、謙虚な心で1からデッキを作り直した。
まずは、デッキの核となるカードを決定する。
《方解石のカミツキガメ》が搭載される事は決定済みだが、
もう一枚、今回フューチャリングするべきカードがある。
それは《深淵の迫害者》でもなく、《悪斬の天使》でもない。
それは…《時間のねじれ》だ。
「トーナメントで《島》よりも《巨森、オラン=リーフ》の採用枚数の方が多い」
という冗談のような環境である今では、カウンターを積んだデッキは実に少ない。
すなわち、相手からカウンターが飛んでくる心配はほぼ無い。
現環境で《時間のねじれ》は最強カードの一枚であると言っても過言ではない。
無論、《時間のねじれ》一枚ではほぼ何の働きもしない。
ただ単にワンドローランドセットだけでは、やっていることは《探検》と大差無い。
では、《時間のねじれ》が強いパターンとは何か。これは、2つの場合が考えられる。
エスパーコンにおける6マナ域は非常に重要なマナ域となっている。
6マナ域のカードは、《ジュワー島のスフィンクス》《ソリン・マルコフ》、そして《自我の危機》。
いずれも「撃てば勝ちに大きく近づく」カードであり、エスパーコンはこれらのカードをプレイする事が第一の目標となる。
6マナ域に優秀なスペルを多く有するエスパーコンだからこそ、5マナのスペルである《時間のねじれ》が輝くと言える。
2点目について。
エスパーコンは、さながらPWコンとも言っても差し支えない程に多くのPWを有する。《ジェイス・ベレレン》《リリアナ・ヴェス》《遍歴の騎士、エルズペス》《ソリン・マルコフ》。
ワールドウェイクからは、《精神を刻む者、ジェイス》も勿論入るだろう。
それらのPWが隣に居る状態で《時間のねじれ》を撃てば、大量のアドバンテージが手に入る。
とりわけ《リリアナ・ヴェス》と相性が良く
相手のハンドを2ディスカードというモードの他に、
デッキ内の好きなカードを持ってきてそのままプレイする事が可能になるため、
・《審判の日》を持ってきてそのままプレイ
・《自我の危機》を持ってきてそのままプレイ
など、その場にあわせたもっとも鬼畜な選択が可能になるという魅力がある。
そして、PWコンの体制を取るのであれば…必要となるのが、PW達を守る壁だ。
壁といえば…そう、アイツの出番である。
被覆を持つ《方解石のカミツキガメ》が、がっちり地上を守ってくれるのだ!!!
しかも、3マナ域という事で、《精神を刻む者、ジェイス》や《遍歴の騎士、エルズペス》にスムーズに繋がるマナ域。
《方解石のカミツキガメ》と《時間のねじれ》、PW達の運命的なマリエージュが実現した。
…かくして。新しいエスパーコンの核は、こいつらに決定した。
------------------
Chapter5.完成
そうと決まれば、後は早い。
まずはここから、始めよう。
これに、各種PW達を追加する。
それに加えて、エスパーコンのたしなみとして、定番パーツを追加。
ここから先は、大分趣味が混じってくる領域だと思うが、
序盤を凌ぐ為のカードを大量に投入する。
後は、甘え成分を少々。
こうなってくると、大体の大枠は出来上がってくる。
土地を加え、全体的な枚数調整を加えたものが、以下のデッキだ。
…何だか、以前まで使っていたエスパーコンの形に戻っただけのような気もするが、まあよしとする。
《閣下/Abyssal Persecutor》と《悪斬の天使》という甘え要素を抜き、
よりコントロール風味を強くした形にした。
「マジックはだれれば勝ち」というプレイスタイルを持つ自分にとっては、
結局の所、こういう長期戦を睨んだデッキの方が向いているらしい。
このデッキの主な勝ち筋は、アドバンテージである。
《悪斬の天使》や《閣下》に頼らずとも、《ソリン・マルコフ》や《ジュワー島のスフィンクス》だけで勝つ事は可能なのだ。
《悪斬の天使》はあくまで、相手のハンドを奪った後で出てくるフィニッシャーである。
先日のFNMにこのレシピで出場した所、3-1という成績でフィニッシュした。
2-2よりも一歩前進。これは大きな一歩と言えるだろう。
…と、言う訳で、《閣下》に心を奪われ、ダークサイドに墜ちていたyasuだったが、
《方解石のカミツキガメ》によって光を取り戻し、新たなデッキを手に入れたのだった。
--------------------------------------------------
ちなみに、以下は新型エスパーコンを回してみた雑感。
---
《方解石のカミツキガメ》
思ったよりもやりおる。ジャンドに対してはほぼ全ての地上クリーチャーを止め、
コントロールミラーにおいては無敵のアタッカーとなる。
特に、暇な時に4/1で殴れるのが非常にデカい。絶対に無駄カードにならない。
どの試合でも常にサイドアウトしなかったのが、その実績を物語っています。
ただし、このカメにもちゃんと弱点はあり
・ミシュランに弱い
《怒り狂う山脈》《溶岩爪の辺境》に一方的に負け、
《忍び寄るタール孔》《天界の列柱》には相手にされません。
今環境におけるエスパーコンの課題である「ミシュランをどう捌くか」という問題に対しては
コイツは思った以上に役に立たないのが注意が必要です。
・意外に相手を止めきれない
《芽吹くトリナクス》や《血編み髪のエルフ》などはがっちり止めますが、
《朽ち行くヒル》や《ステップのオオヤマネコ》などのパワー4にはほぼ無力。
その点を見れば、実は《否定の壁》の方が良いかも…という意見もちらほら。
---
《忍び寄るタール孔》および《天界の列柱》
前評判が高かった《忍び寄るタール孔》と、
前評判が低かった《天界の列柱》ですが、
暫く使ってみた結果《天界の列柱》の方が強いという結論に落ち着きました。
まず、エスパーコンにおいてミシュランが起動しだすのはゲーム終盤です。
中盤までは、常に何かを展開するか、さもなくば構えてターンを返すため、
こいつらを使っている暇は、ほぼ無いといっても良いでしょう。
《忍び寄るタール孔》で殴るより、《精神を刻む者、ジェイス》や《リリアナ・ヴェス》を展開した方が強いですよね?
そして終盤。お互いに息切れしたきたあたりで、こいつらが輝く時が来る訳ですが
その際には、起動が3マナだろうが5マナだろうがあまり気にならなくなってます。
で
攻める時:《忍び寄るタール孔》はパワー3。《天界の列柱》はパワー4。
攻めてる時は《忍び寄るタール孔》の方が強いかと思いきや、
実は《天界の列柱》の方がクロックが大きいので攻めている時も強いです。
《忍び寄るタール孔》にはアンブロッカブルがあるじゃないか、という意見もありますが
《天界の列柱》の飛行もみくびったものじゃありません。思った以上に攻撃が通ります。
…え? タール孔は《悪斬の天使》や《若き群れのドラゴン》が居ても殴れるって?
残念!
そんな状況ならミシュランがどれだけ頑張ろうと関係なくあなた負けてますから!
守る時:《忍び寄るタール孔》はタフネス2。《天界の列柱》はタフネス4+飛行
これは圧倒的に《天界の列柱》の勝ち。
《稲妻》で落ちない。《血編み髪のエルフ》や《エメリアの天使》を一方的に討ち取れる。
環境的にタフ4は非常に強いです。しかも飛行も付いていて至れりつくせり。
…という訳で、総合的に見て《天界の列柱》の方が強い訳ですね。
警戒が付いているのと、見かけ上思いマナ・コストで騙されがちですが、
エスパーコンで運用する場合は、間違いなく《天界の列柱》を採用するべき。
-----
《精神を刻む者、ジェイス》
前評判通り強いですね。ただ、強さにムラがあるなー、というのが正直な感想。
一番痛いのは、ジャンドに対して弱いこと。
なので、ジャンドばかりのこの環境では、
むしろ普通の《ジェイス・ベレレン》の方が強い疑惑すらあります。
…まあ、ジャンド以外のあらゆるデッキに対して強いので、
採用の余地は十分にあるんですけどねー。
あと、一番下の能力は飾りですね。
達成条件まで遠すぎて、+2能力をそんな悠長に使っている時間はほぼ無いです。
なので、割り切って《渦巻く知識》+《送還》マシーンと思った方がよさげ。
何だかんだで2年間相棒になるカードだと思うので、使い込んでいきたいと思います
あ、バウンス能力と《自我の危機》の相性が良いのはステキだと思いました。
--------------
そんな感じで。
長文乱文失礼しました。
まずは、このデッキレシピを見て欲しい。
僕が先日GTPクアラルンプールで使用したレシピだ。
// Lands《閣下/Abyssal Persecutor》が4枚手に入ったのがつい嬉しくて組んでしまったデッキだ。
1 [ALA] Arcane Sanctum/秘儀の聖域
4 [M10] Drowned Catacomb/水没した地下墓地
4 [M10] Glacial Fortress/氷河の城砦
4 [ZEN] Marsh Flats/湿地の干潟
3 [ZEN] Island/島
2 [M10] Plains/平地
3 [M10] Swamp/沼
2 [WWK] Creeping Tar Pit/忍び寄るタール孔
2 [WWK] Celestial Colonnade/天界の列柱
// Creatures
4 [M10] Baneslayer Angel/悪斬の天使
2 [ZEN] Sphinx of Lost Truths/失われた真実のスフィンクス
4 [WWK] Abyssal Persecutor/深淵の迫害者
// Spells
3 [ZEN] Day of Judgment/審判の日
1 [ARB] Identity Crisis/自我の危機
4 [ALA] Esper Charm/エスパーの魔除け
1 [CNF] Path to Exile/流刑への道
4 [ALA] Agony Warp/苦悶のねじれ
2 [M10] Essence Scatter/本質の散乱
2 [M10] Celestial Purge/天界の粛正
1 [ALA] Oblivion Ring/忘却の輪
2 [M10] Liliana Vess/リリアナ・ヴェス
3 [M10] Jace Beleren/ジェイス・ベレレン
1 [WWK] Jace, the Mind Sculptor/精神を刻む者、ジェイス
1 [CFX] Martial Coup/軍部政変
このデッキを称するとするのならば…「札束エスパー」とでも言うべきだろうか。
超高額カードである《悪斬の天使》に加え、《深淵の迫害者》《精神を刻む者、ジェイス》など
とにかく高額で、カードパワーが高いカードばかりを詰め込んだ構成となっている。
醜い。
あまりにも醜いデッキであるといえよう。
このデッキの勝ち手段とは何か?
《審判の日》で盤面を吹き飛ばし
《深淵の迫害者》を展開し
更に《悪斬の天使》を展開して、殴りきる。
ビートダウンともコントロールともつかない。
ただ単体のカードパワーが高いだけの中途半端なデッキだ。
と、言うよりは
単なる《悪斬の天使》をぶっぱするだけのデッキと成り下がってしまっている。
勝つ時は《悪斬の天使》が除去られなかった時であり、
負ける時は《悪斬の天使》が除去られた時、
…という、非常にくだらないデッキとなってしまった。
このレシピの結果は2-2だったが、回しているうちにデッキの歪みに気がつき、その日の内に解体した。
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chapter2.原点
エスパーコンのそもそもの理念は、被覆(※1)だ。
《否定の壁》と《ジュワー島のスフィンクス》の被覆クリーチャーで相手の除去を腐らせ、
グダった後に《自我の危機》で相手の手札を吹き飛ばし自分の優位を絶対的する。
その後は、各種PWや《ジュワー島のスフィンクス》、《悪斬の天使》で勝利を掴む。
だが、今はどうだ。
「《悪斬の天使》が生き残っていれば勝てる」という甘えに負けて悪斬を4積みし、
単純にカードパワーが高いというだけの理由で閣下を搭載。
その結果、本来クリーチャー除去を腐らせる事が目的だったはずのエスパーコンが
クリーチャー除去が非常に刺さるデッキに変貌を遂げてしまった。
《悪斬の天使》《深淵の迫害者》といった目先のパワーカードに心を奪われ、
デッキそのものが崩壊してしまっていたのだ。そのような歪んだデッキで勝てようはずもない。
※1:余談であるが、被覆持ちのクリーチャーについて話していた時に
「《悪斬の天使》っていまいち信用できないんだよなー。《悪斬の天使》にも被覆が付いてればいいのに」とかほざいたhokurinはもう少しマジックを勉強すれば良いと思ったよ!
------
chapter3.目覚め
一旦はデッキを解体した僕だが、悪魔たる閣下の魅力に取り憑かれてしまった僕は、
なかなかどういう形でデッキを組み直せば良いのか、分からずにいた。
そんな僕の目を覚ましてくれたのは、コイツ…。
《方解石のカミツキガメ/Calcite Snapper》である。
方解石のカミツキガメ (1)(青)(青)
クリーチャー ― - 海亀
被覆 (このクリーチャーは呪文や能力の対象にならない)
上陸 ― 土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたはターン終了時まで方解石のカミツキガメのパワーとタフネスを入れ替えてもよい。
1/4
ワールドウェイクが出た後、一部の間では注目されていたこのカード。
1/4被覆というエスパーコンの魂を体現化した能力で、鉄壁の防御力を誇る。
更に青いヒヨケムシの異名を取り、ボロスの魂も持ち合わせる、恐るべきクリーチャーである。
(参考文献:http://52378.diarynote.jp/201002031609482008/ みつひでさんのDN)
ジャンド相手には最強の盾となり、コントロールミラーでは最強の矛となる。
そう、エスパーコンの最後の1ピース、それは…《方解石のカミツキガメ》だったのだ!
------------
chapter4.再構築
悟りを開いた僕は、謙虚な心で1からデッキを作り直した。
まずは、デッキの核となるカードを決定する。
《方解石のカミツキガメ》が搭載される事は決定済みだが、
もう一枚、今回フューチャリングするべきカードがある。
それは《深淵の迫害者》でもなく、《悪斬の天使》でもない。
それは…《時間のねじれ》だ。
Time Warp / 時間のねじれ (3)(青)(青)カウンターさえされなければ一切のアドバンテージを失わないこのカード。
ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはこのターンに続いて追加の1ターンを行う。
「トーナメントで《島》よりも《巨森、オラン=リーフ》の採用枚数の方が多い」
という冗談のような環境である今では、カウンターを積んだデッキは実に少ない。
すなわち、相手からカウンターが飛んでくる心配はほぼ無い。
現環境で《時間のねじれ》は最強カードの一枚であると言っても過言ではない。
無論、《時間のねじれ》一枚ではほぼ何の働きもしない。
ただ単にワンドローランドセットだけでは、やっていることは《探検》と大差無い。
では、《時間のねじれ》が強いパターンとは何か。これは、2つの場合が考えられる。
・5T目に打つことで、1手早く6マナスペルに到達できること1点目について。
・PWが隣に居る状態で打った場合
エスパーコンにおける6マナ域は非常に重要なマナ域となっている。
6マナ域のカードは、《ジュワー島のスフィンクス》《ソリン・マルコフ》、そして《自我の危機》。
いずれも「撃てば勝ちに大きく近づく」カードであり、エスパーコンはこれらのカードをプレイする事が第一の目標となる。
6マナ域に優秀なスペルを多く有するエスパーコンだからこそ、5マナのスペルである《時間のねじれ》が輝くと言える。
2点目について。
エスパーコンは、さながらPWコンとも言っても差し支えない程に多くのPWを有する。《ジェイス・ベレレン》《リリアナ・ヴェス》《遍歴の騎士、エルズペス》《ソリン・マルコフ》。
ワールドウェイクからは、《精神を刻む者、ジェイス》も勿論入るだろう。
それらのPWが隣に居る状態で《時間のねじれ》を撃てば、大量のアドバンテージが手に入る。
とりわけ《リリアナ・ヴェス》と相性が良く
相手のハンドを2ディスカードというモードの他に、
デッキ内の好きなカードを持ってきてそのままプレイする事が可能になるため、
・《審判の日》を持ってきてそのままプレイ
・《自我の危機》を持ってきてそのままプレイ
など、その場にあわせたもっとも鬼畜な選択が可能になるという魅力がある。
そして、PWコンの体制を取るのであれば…必要となるのが、PW達を守る壁だ。
壁といえば…そう、アイツの出番である。
被覆を持つ《方解石のカミツキガメ》が、がっちり地上を守ってくれるのだ!!!
しかも、3マナ域という事で、《精神を刻む者、ジェイス》や《遍歴の騎士、エルズペス》にスムーズに繋がるマナ域。
《方解石のカミツキガメ》と《時間のねじれ》、PW達の運命的なマリエージュが実現した。
…かくして。新しいエスパーコンの核は、こいつらに決定した。
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Chapter5.完成
そうと決まれば、後は早い。
《方解石のカミツキガメ》
《時間のねじれ》
まずはここから、始めよう。
これに、各種PW達を追加する。
《ジェイス・ベレレン》
《精神を刻む者、ジェイス》
《遍歴の騎士、エルズペス》
《リリアナ・ヴェス》
《ソリン・マルコフ》
それに加えて、エスパーコンのたしなみとして、定番パーツを追加。
《エスパーの魔除け》
《ジュワー島のスフィンクス》
《審判の日》
《自我の危機》
ここから先は、大分趣味が混じってくる領域だと思うが、
序盤を凌ぐ為のカードを大量に投入する。
《苦悶のねじれ》
《天界の粛正》
《本質の散乱》
《流刑への道》
後は、甘え成分を少々。
《悪斬の天使》
こうなってくると、大体の大枠は出来上がってくる。
土地を加え、全体的な枚数調整を加えたものが、以下のデッキだ。
デッキ名:カメエスパーコン
// Lands
1 [ALA] Arcane Sanctum/秘儀の聖域
4 [M10] Drowned Catacomb/水没した地下墓地
4 [M10] Glacial Fortress/氷河の城砦
4 [ZEN] Marsh Flats/湿地の干潟
3 [ZEN] Island/島
2 [M10] Plains/平地
3 [M10] Swamp/沼
1 [WWK] Creeping Tar Pit/忍び寄るタール孔
3 [WWK] Celestial Colonnade/天界の列柱
// Creatures
2 [M10] Baneslayer Angel/悪斬の天使
1 [ZEN] Sphinx of Lost Truths/失われた真実のスフィンクス
3 [WWK] Calcite Snapper/方解石のカミツキガメ
2 [ZEN] Sphinx of Jwar Isle/ジュワー島のスフィンクス
// Spells
3 [ZEN] Day of Judgment/審判の日
1 [ARB] Identity Crisis/自我の危機
1 [ALA] Elspeth Knight-Errant/遍歴の騎士、エルズペス
4 [ALA] Esper Charm/エスパーの魔除け
1 [CNF] Path to Exile/流刑への道
4 [ALA] Agony Warp/苦悶のねじれ
2 [M10] Essence Scatter/本質の散乱
2 [M10] Celestial Purge/天界の粛正
2 [M10] Liliana Vess/リリアナ・ヴェス
2 [M10] Jace Beleren/ジェイス・ベレレン
2 [WWK] Jace, the Mind Sculptor/精神を刻む者、ジェイス
1 [ZEN] Sorin Markov/ソリン・マルコフ
2 [M10] Time Warp/時間のねじれ
…何だか、以前まで使っていたエスパーコンの形に戻っただけのような気もするが、まあよしとする。
《閣下/Abyssal Persecutor》と《悪斬の天使》という甘え要素を抜き、
よりコントロール風味を強くした形にした。
「マジックはだれれば勝ち」というプレイスタイルを持つ自分にとっては、
結局の所、こういう長期戦を睨んだデッキの方が向いているらしい。
このデッキの主な勝ち筋は、アドバンテージである。
《悪斬の天使》や《閣下》に頼らずとも、《ソリン・マルコフ》や《ジュワー島のスフィンクス》だけで勝つ事は可能なのだ。
《悪斬の天使》はあくまで、相手のハンドを奪った後で出てくるフィニッシャーである。
先日のFNMにこのレシピで出場した所、3-1という成績でフィニッシュした。
2-2よりも一歩前進。これは大きな一歩と言えるだろう。
…と、言う訳で、《閣下》に心を奪われ、ダークサイドに墜ちていたyasuだったが、
《方解石のカミツキガメ》によって光を取り戻し、新たなデッキを手に入れたのだった。
--------------------------------------------------
ちなみに、以下は新型エスパーコンを回してみた雑感。
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《方解石のカミツキガメ》
思ったよりもやりおる。ジャンドに対してはほぼ全ての地上クリーチャーを止め、
コントロールミラーにおいては無敵のアタッカーとなる。
特に、暇な時に4/1で殴れるのが非常にデカい。絶対に無駄カードにならない。
どの試合でも常にサイドアウトしなかったのが、その実績を物語っています。
ただし、このカメにもちゃんと弱点はあり
・ミシュランに弱い
《怒り狂う山脈》《溶岩爪の辺境》に一方的に負け、
《忍び寄るタール孔》《天界の列柱》には相手にされません。
今環境におけるエスパーコンの課題である「ミシュランをどう捌くか」という問題に対しては
コイツは思った以上に役に立たないのが注意が必要です。
・意外に相手を止めきれない
《芽吹くトリナクス》や《血編み髪のエルフ》などはがっちり止めますが、
《朽ち行くヒル》や《ステップのオオヤマネコ》などのパワー4にはほぼ無力。
その点を見れば、実は《否定の壁》の方が良いかも…という意見もちらほら。
---
《忍び寄るタール孔》および《天界の列柱》
前評判が高かった《忍び寄るタール孔》と、
前評判が低かった《天界の列柱》ですが、
暫く使ってみた結果《天界の列柱》の方が強いという結論に落ち着きました。
まず、エスパーコンにおいてミシュランが起動しだすのはゲーム終盤です。
中盤までは、常に何かを展開するか、さもなくば構えてターンを返すため、
こいつらを使っている暇は、ほぼ無いといっても良いでしょう。
《忍び寄るタール孔》で殴るより、《精神を刻む者、ジェイス》や《リリアナ・ヴェス》を展開した方が強いですよね?
そして終盤。お互いに息切れしたきたあたりで、こいつらが輝く時が来る訳ですが
その際には、起動が3マナだろうが5マナだろうがあまり気にならなくなってます。
で
攻める時:《忍び寄るタール孔》はパワー3。《天界の列柱》はパワー4。
攻めてる時は《忍び寄るタール孔》の方が強いかと思いきや、
実は《天界の列柱》の方がクロックが大きいので攻めている時も強いです。
《忍び寄るタール孔》にはアンブロッカブルがあるじゃないか、という意見もありますが
《天界の列柱》の飛行もみくびったものじゃありません。思った以上に攻撃が通ります。
…え? タール孔は《悪斬の天使》や《若き群れのドラゴン》が居ても殴れるって?
残念!
そんな状況ならミシュランがどれだけ頑張ろうと関係なくあなた負けてますから!
守る時:《忍び寄るタール孔》はタフネス2。《天界の列柱》はタフネス4+飛行
これは圧倒的に《天界の列柱》の勝ち。
《稲妻》で落ちない。《血編み髪のエルフ》や《エメリアの天使》を一方的に討ち取れる。
環境的にタフ4は非常に強いです。しかも飛行も付いていて至れりつくせり。
…という訳で、総合的に見て《天界の列柱》の方が強い訳ですね。
警戒が付いているのと、見かけ上思いマナ・コストで騙されがちですが、
エスパーコンで運用する場合は、間違いなく《天界の列柱》を採用するべき。
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《精神を刻む者、ジェイス》
前評判通り強いですね。ただ、強さにムラがあるなー、というのが正直な感想。
一番痛いのは、ジャンドに対して弱いこと。
+2でトップを見てもあまり嬉しくない。という具合に、全ての能力がジャンドと噛み合っていません。
±0でブレインストームはしたくない(返しで乙る可能性が非常に高い)
-1でバウンスもしたくない(戻しておいしい生物がほぼ居ない)
なので、ジャンドばかりのこの環境では、
むしろ普通の《ジェイス・ベレレン》の方が強い疑惑すらあります。
…まあ、ジャンド以外のあらゆるデッキに対して強いので、
採用の余地は十分にあるんですけどねー。
あと、一番下の能力は飾りですね。
達成条件まで遠すぎて、+2能力をそんな悠長に使っている時間はほぼ無いです。
なので、割り切って《渦巻く知識》+《送還》マシーンと思った方がよさげ。
何だかんだで2年間相棒になるカードだと思うので、使い込んでいきたいと思います
あ、バウンス能力と《自我の危機》の相性が良いのはステキだと思いました。
--------------
そんな感じで。
長文乱文失礼しました。
コメント
既に通過してPWC0-3しといた
ひよ毛虫は我らグルール一族の魂です。あんな糞ウィニー(笑)ギルドと一緒にしないでいただきたい。
何…だと…!?
下手すりゃ今度の大会にそれで出るつもりでしたw
環境的に実はあんまり強くないんですかねー?
>ゆうたそ様
そ、そういえば確かにアイツ、色は赤緑だ。
と、すれば青白黒と赤緑全ての色を内包している神の如きクリーチャーだと言える。
青白ミシュランは見た目より相当強いですよね。
青黒が勝るシチュエーションは同型対決で相手のPWが通ってしまった時くらいでしょうか。
その同型の場面ですら、せっかく腐らせてる《天界の粛清/Celestial Purge》の餌食になってしまうということがありますので一概には言い切れませんが。
私も一時は「デーモン除去さえされなければジャンドはどうしようもなくね?」と幻想を見て4積みしていましたが、続唱のアド取られ易くなって元も子もなくなったり、同系にとことん弱かったり、マナ構成を歪める原因になったりで抜けましたね。
同じエスパーコンを使う人間でも毎回トンデモ理論を垂れ流している私とこうまで違うものか、とあなたの考察には常々驚かされています。
デック構成は違えど今後も勉強させていただきます。
ほら、開発部にですら「ネゲターってmayにしたら強いんじゃね?」とかいいだした阿呆がおるようなので特筆することじゃないんだよ、きっと
悪斬被覆も酷いけど、苦花のトークンが速攻持ってればいいのにとかいいだした経歴も持っているのでhokurin侮れない
カメは守りに使うとジャンドぐらいしか止められないのがあんま好きじゃない
まぁ、ジャンド相手に一定の働きができるだけで評価してもいいんだけど
トーストはアドバンテージカードと妨害カードに数枚の勝ち手段で勝ちにいくデッキ。エスパーも同じようなもんだと思うんだ。
早く勝ちに行くときは、悪斬だけで十分だしね。
最後に一つ対ジャンド、対コロンビア用のプレイングを。これでだけで結構勝率変わる。
エスパーチャームはブライトニング飛んでこない限り、相手のハンドが何枚であろうがハンデスに使うといい。
向こうは選択肢として
1.クリーチャー捨てる
こっちの時間稼げる
2.除去を捨てる
悪斬無双
3.土地を捨てる
動きが悪くなって結局遅くなるから時間稼げる
ファイナルズでジャンド相手に8連勝した奴は、これを徹底してやってたといってた。今の環境のジャンドはランパン型多いからハンデスがより刺さる。それはコロンビアも同じだしね。
後悪斬4にして一枚コロンビア挿すと強いよ。スフィンクスも多くしたくなるけどね。しばらくおいらはスタンやらないので頑張ってくださいな。
>生物化土地
カメいれたら少なくていい!と思えてきた
>+2で、トップを見てもあまりうれしくない
自分か対戦相手かどちらをさしているのかkwsk
クライシスぶっぱした後だったら、さすがにかつると思うよ(戦場の具合によるけど)
これからはヒルパルスがメインガン積みになる(というかなっている)のであまり展望は芳しくないです・・・
調整していてクライシス2と悪斬4は固定パーツかなーと感じました
列柱はもち3で、聖域3タール0で自分らはやりました
ロストトゥルース1には賛成ですw
コメントありがとうございます。こちらもエスパーコンについての考察、楽しみに読ませて頂いています。
閣下については、決して弱いカードではないと思うのですが、既存のエスパーコンに加えるにはちょっと方向性が違うな、と感じましたね。
もし閣下を採用するのであれば、《潮の虚ろの漕ぎ手》を絡めた、エスパーアグロな感じになるのではないかと思われます。
自分もまだまだ未熟なプレイヤーですので、エスパーコンについてご意見や新たな発見などあれば教えて頂ければ幸いです!
>カズさん
hokurinは、赤黒ならず者使ってた時に「《変わり谷》から色マナ出れば強いんだけどなー」と行っていた功績もありますねw
>ddsさん
デッキ内の平均カードパワーが高ければ、試合をグダらせばグダらせるほどその差が明確に現れてアド勝ちできる!(キリッ
カメは確かに飛び抜けてカードパワーが高い訳ではないんだけども、エスパーコンに丁度欲しかったパーツだったので採用してる感じ。
その逆が閣下で、カードパワーは飛び抜けて高いんだけど、今のエスパーコンに欲しかったのはちょっと違った感じ。
>029さん
>アドバンテージカードと妨害カードに数枚の勝ち手段で勝ちにいくデッキ
まさに今のエスパーコンはこんな感じですねー。うう、青コマが欲しい…。
対ジャンドのその方法はぜひぜひ試してみます。
《荒廃稲妻》を撃たれるのが怖くて、今まではドローばっかりに使ってました。
ある程度慣れ(というか状況判断)が必要そうなので、要練習ですねー<積極的にこちらかもハンデス
>そらみんさん
ミシュラン入れなくていいはさすがに嘘w
みんなミシュラン過小評価しすぎだってば!
>+2が嬉しくない
自分見ても、相手見ても嬉しくない。何が嬉しくないかと言えば、アドが取れてないのが嬉しくない。
ちなみに《自我の危機》撃った後はさすがに強いんだけども、《自我の危機》が通ってるなら、もう半分勝ってるよねー、ジェイスじゃなくても良いよねー、という事でw
>ふらっどさん
ジャンドのサイド後はかなり厳しいですねー。こちらも《瞬間凍結》×4という対抗手段はあるにはありますが…。
《精神腐敗》がかなりツラいのは同意ですw 《瞬間凍結》を握りしめたまま、くやしい…! となることが多々。
自分の場合は、《悪斬の天使》は、《自我の危機》を撃った後に1枚あればいいかなー、と思っているので2枚にしました。
ゲーム中盤でフルタップキレ悪斬は、たまに勝てますが大体乙るので…。