【翻訳記事】 拡張アートカードを使用する為の実用的な試み
2009年5月26日 TCG全般 コメント (9)
ノリで立ち上げた拡張アート普及委員会ですが、
思った以上に反響が多く、なんだか自分でビビってます。
各所で反応されている皆様、コメント出来ず申し訳ありません。
しっかりと拡張アート日記は拝見させて頂いておりますので
頑張って拡張アートの動きを作っていきましょう!
とりあえず僕は僕でデッキの拡張アート化を進めております→
前回の反省で「土地やスペルを拡張アートするよりも
場に出るパーマネントを拡張アートにした方が
相手によりアピール出来る」という事が判明したので
今回は《呪文づまりのスプライト》と《ロクソドンの戦鎚》
の2枚を拡張アート化しました。
コモン、アンコモンは割と気軽に出来るんだけど、
どうしてもレアにはまだ手が出ませんねw
--------------------------------------------------------------
という訳で、今回は通りすがりさんからの情報提供で
なんとWotc公式に拡張アートについて言及された記事があったので、
拡張アート普及委員会会長(?)として、
これは翻訳しない訳にはいかない、と思って急遽翻訳しました。
いつものように誤訳したり意訳したりはしょったりしてますが、
なんとなく雰囲気は掴んで頂けるかなと思います。
原文はこちら
http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=judge/article/20090414a
という訳で、翻訳記事をどうぞ。
【↓ここから翻訳↓】
---------------------------------------------------------
A Practical Approach to Handling Altered Cards
拡張アートカードを使用する為の実用的な試み
Claire Dupre
黒枠のカードや、フォイルのカード、あるいはアジア圏のカードを
デッキに使用する事はCoolな事であるという事は皆知っていると思う。
この最近のトレンドは、ついにはトーナメントに
”改造した”カードを使用する所まで進化した。
カードの半分を塗ったり、あるいは単なる落書きであったり、その範囲は広い。
その手段がどうあれ、これらのカードは何らかの修正が加えられており、
”Alterd”(=改変された)カードである事は否めない。
そしてそれは、トーナメントシーンで使用するのには相応しくない。
-----------------------------------------
ルールはどのように主張しているのか?
まずは、どの規則が適用されるのかを最初に調べよう。
UTR28とUTR32のどちらもが、その問題に対して述べている。
ルールは、この問題に対してかなり回避的だ。
UTR23は、カードのイラストが認識できなければならないとするだけであり、
UTR32は、改変されたカードによって与えられる不正な利益に着目し、
それを利用しようとする行為を禁じようとするだけである。
ただし問題として、拡張アートカードは誤解させる気が無くとも、
カードの認識を阻害してしまう事が考えられる。
また、カードの重さ、形、柔軟性等の物理面が修正される可能性もあるので、
それらのカードは区別できるようになってしまう。
では、何が許されて、何が許されないというのだろうか?
-------------------------------------
改変 それとも 偽造?
カードが本当のMTGのカードであるかが、最初の一歩である。
レガシーやヴィンテージ等でのいくつかのカードの価格の上昇により、
イラストの改変は《灰色熊》を《Force of Will》に変える事も出来た。
それはいくら出来が良くても、偽物である。
既に、カードの偽物は昔から作られていただろう。
偽物のカードの一般的な識別方法は、カードを曲げる試験である。
本物のMagicのカードは、曲げてもまた平面に戻るだろう。
しかし、拡張アートのカードは、Magicのカードの上に描画を行う。
そのため、このテストを簡単にすり抜ける事が出来る。
---------------------------------------------
ユーモア それとも 攻撃的?
フランスの有名なユーモア主義者のPierre Desprogesは
「人は何でも笑う事が出来る、しかし、それは誰でもという訳ではない」と言った。
これは、拡張アートに関する解釈も同じ事である。
この問題は、とてもパブリックな議論である。
拡張アートが引き起こす潜在的な不快感は考えておかなければならない。
(例えば、ナチズムへの言及で議論を巻き起こした《暗黒の儀式》のように)
---------------------------------------------
イメージを修正する事
ここで、私たちは問題の核心に迫る。
マジックは、カードに書かれているテキストが重要であると同時に、
カードに描かれているイラストも重要なゲームである。
トーナメントプレイヤーの多くは、テキストでは無く、絵でカードを認識する。
時々、彼らはその絵が何かすら知らなく、大まかな形でしか知らない場合すらある。
よって、イラストによって見やすいゲーム環境を構築するため、
常に絵は簡単に認識できなければならない。
・ケース1 フレームの無いカード
”フレームレス”カードは、イラストの枠を取り払い、絵を拡大する。
《Swords to Plowshares》
http://www.wizards.com/dci/judge/images/swordstoplowshares.jpg
《Illusionary Mask》
http://www.wizards.com/dci/judge/images/illusionmask.jpg
時折、以下のようにテキストボックスすら取り除いてしまうものも出てくる。
《Teneb the Harvester》
http://www.wizards.com/dci/judge/images/teneb.png
この種の変更は、通常は大した事ではない。比較的簡単に認識が可能である。
では、ヘッドジャッジは何を禁止するのか?
拡張が混乱に繋がるのであれば、それは問題であるとされる。
キャスティング・コストや、パワー/タフネスが消えたらどうだろう?
それらは、カードの色を決定したり、クリーチャーの特性を記している。
似たような事例としては、名前やタイプ、テキストボックスの欠如だ。
しかし、これらはフレームレスのカードと、キリル文字のようなカードとで
どれほどの違いがあるというのだろうか?
《Frozen Shade》について考えてみよう。
それは、フレームレスカードは中国語のカードと同じくらい、
「飛行」の能力を持っていそうに見えてしまうだろうね。
(※訳者注 《Frozen Shade》の初期のイラストはこちら
http://gatherer.wizards.com/Handlers/Image.ashx?multiverseid=65&type=card
確かにこれは、何も言わなければ飛行を持っていると錯覚してもおかしくない。)
また、テキストが前の世紀から時代遅れだった《Illusion Mask》について考えよう
テキストがそもそもOracleテキストにマッチしていないカードの場合は、
かなりの混乱を呼ぶだろう。
(※訳者注 《Illusion Mask》のカードテキストはこちら
http://gatherer.wizards.com/Handlers/Image.ashx?multiverseid=617&type=card)
協議の結果、上記に挙げた拡張カードの3枚の内、
私は《Teneb the Harvester》にだけ、僅かに問題があるのではないかと考える。
その理由は、カードからパワーとタフネスが消えたという点である。
しかし、それは大した問題点ではない。
・ケース2 変更
技術的にカードのイメージを変えるという事は、
本来のイラストに2,3の要素を加えたか、あるいは排除した事を意味する。
今日、絵師達は色々なイラストを書き加えている。
これらの変化は、《Gemstone Mine》から《Island》
そして《Meddling Mage》にその軌跡を見る事が出来る
《Gemstone Mine》
http://www.wizards.com/dci/judge/images/gemstonemine.png
《Island》
http://www.wizards.com/dci/judge/images/viviisland.png
《Meddling Mage》
http://www.wizards.com/dci/judge/images/meddlingmage2.png
後になるに従い、変化の影響の度合いは大きくなっていく。
カードの禁止の観点から、意見はいくらか変化する事になる。
《Gemstone Mine》の例は、おそらくそこまで危険では無いだろう。
イラストはほぼ変更されておらず、テキストも多くは失われていない。
《Island》への変更は多大だ。イラストの中央とテキストをほぼカバーしている。
しかし、カード名は有名であり、そして、追加されたイラストは
元のイラスト(青のイメージ)に適合している。
また、この《Island》には他の土地カードを上に積んでいく事が出来るため、
より混乱は減らす事が出来るだろう。
《Meddling Mage》は、《island》よりも変更は小さく、
元のイラストの範囲内で保たれているが、これについては議論の余地がある。
カードを簡単に識別する事が出来ない為だ。
このパーマネントはゲームに影響を与えるため、
あなたはこのカードに常に注意を払っていなければならい。
よって、トーナメントでの使用が適当であるかどうかを考えなければならない。
オリジナルカードの特徴も考慮されなければならない。
それは、パーマネントか、ソーサリーか、インスタントか。
それがパーマネントならばどのような影響を及ぼすのか。
それは、土地か、あるいははっきりしないカードなのか。
もう一度、ゲームにどのような影響を及ぼすカードなのか?
このカードを見て欲しい。
これは、《Pernicious Deed》なのか、それとも《Juzam Djinn》か?
http://www.wizards.com/dci/judge/images/perniciousdeed2.png
もちろん、カードの内容は全てテキストに描かれている。
そして、あなたはそれが何であるかについてそれを読む必要がある。
それは、revisedの《Serendib Efreet》よりも合法的な行為だろうか?
相手がそれを理解するより前に《Remove Soul》を見せてしまったらどうだろう?
(※訳者注 mtg wikiより《Serendib Efreet》
http://mtgwiki.com/wiki/Serendib_Efreet
Revisedでは、どうやらミスプリで違った絵がプリントされていた模様です。)
上記の《Meddling Mage》の件は、それがパーマネントであるという
その事実が危険であると私たちは判断した。
------------------------------------------------------------
物理的な修正
イラストを変化させる事がもっとも顕著な変化の例であるが、
物理的なカードの変化も考慮に入れなければならないだろう。
重さおよびカードの柔軟性は、これらの問題からは遠い。
カードのマークドによる識別を考える際に、あまり重要ではない為だ。
逆に、厚みと形に関する事はやや重要な事柄となる。
・厚み
ボールペンで書いたものは、カードの裏に見える事となり、溝を創り出す。
その為、そうして拡張されたものは使ってはいけない。
絵画はとても広く普及した技術で、材料は多岐にわたる。
アクリルが素晴らしい画材である反面、油絵とガッシュはあまりに厚い。
そのため、我々はマークドされたカードを見つける手順を記載する。
デッキを一つの束にして、2枚のカードの間で空間を探しなさい。
ここのトリックは、この厚みがカードの4隅の1つだけに存在するという事だ。
フォイルカードが曲がっている場合、これらの厚みは取り除く事が出来ないだろう。
・テクスチャー
カードのテクスチャーは、厚みの項目と酷似している。
あなたがカードの表面に対して指でなぞったならば、
あなたは拡張されたカードを認める事が出来るようになるだろう。
重さや柔軟性の項目のように、これは明らかに別種の動作を必要とするため、
通常それほど注目はされない。
・形
もし、拡張されたカードの現状が完璧な状態でないならば、
カードをある特殊な状態(たとえば、曲がった状態)にする事ができた。
これは、フォイルと同じような修正を必要とされる。
フォイルをトーナメントで使うのと同じ事だ、
カードの状態を平らな状態に戻せば、きっと大丈夫だろう。
しかし、何が大丈夫で何がダメかをはっきりと線引きする事は決して簡単ではない。
古典的なマークド方法で、拡張アートカードに「新しい線」を書き加える事が出来る
それは、ヘッドジャッジにしてみれば禁止を行う為の理由となるだろう。
拡張カードを理解して貰う事は、より多くの問題を孕んでいる。
プレイヤー全員があなたが拡張カードを使っているという事を知っている訳ではない。
また、彼らはトーナメントにおいてそれほどリラックスをしている訳でもない。
しかし、ここで悲観的になってはいけない!
その線引きが難しいという問題は、フォイルに関しての問題を参照する事で
どのようにあなたが振る舞えば良いのかを理解するのに役立つだろう。
もちろん、あなたはリスクを避ける為に、
全ての拡張アードカードを排斥する事も出来る。
しかし、Magicは回りのコミュニティを構築したゲームである事を忘れてはいけない。
Magicをプレイする時、多くのプレイヤーは、
彼らの好きなカードを使い、楽しみたいと思っているはずだ。
拡張アートはフォイルや日本語版のカードと同じように、
そうした楽しみを行う為の一つの方法であると言えるだろう。
最後に、Kevin Desprezに校正と翻訳を、そしてカードの資料を頂いたcardkittyに対して感謝したい。
--------------------------------------------
【↑ここまで翻訳↑】
…何というか、思ったよりも遥かに好意的な記事でびっくり。
なんかWotcって著作権に厳しいとか聞いてたので、
実際に拡張アートのカードを引っ張ってきてまで解説するとは。
しかも、この方の言っている内容を要約すると
・拡張アートってのが最近流行ってるね、Coolだね
・テキストボックス潰したり絵そのものを潰すのはちょっとマズいかもね
(=イラストをちょっと拡張するだけならあまり問題無いね)
・Magicは楽しむゲームだよね! 拡張アートカード使うの楽しそうだね!
・でも結局最後はヘッドジャッジ次第だね
という事で、拡張アートに関してはかなり前向きなのではないかと思います。
これが公式記事として載ってるんだから、そりゃ勇気付けられるってもんですよ。
Wotcからのお墨付き(?)も貰い、
名古屋や東京の大会主催者さんの「使いたければ使えば?」というお言葉も頂き、
とりあえず草の根大会で使う分にはほぼ大丈夫という事になりつつあります。
なので
拡張アートカードを使うのが怖い人は、積極的に使いましょう!
拡張アートに手を出すのを躊躇っている人は、是非手を出してみましょう!
と、布教活動にいそしむわたくしでした。
思った以上に反響が多く、なんだか自分でビビってます。
各所で反応されている皆様、コメント出来ず申し訳ありません。
しっかりと拡張アート日記は拝見させて頂いておりますので
頑張って拡張アートの動きを作っていきましょう!
とりあえず僕は僕でデッキの拡張アート化を進めております→
前回の反省で「土地やスペルを拡張アートするよりも
場に出るパーマネントを拡張アートにした方が
相手によりアピール出来る」という事が判明したので
今回は《呪文づまりのスプライト》と《ロクソドンの戦鎚》
の2枚を拡張アート化しました。
コモン、アンコモンは割と気軽に出来るんだけど、
どうしてもレアにはまだ手が出ませんねw
--------------------------------------------------------------
という訳で、今回は通りすがりさんからの情報提供で
なんとWotc公式に拡張アートについて言及された記事があったので、
拡張アート普及委員会会長(?)として、
これは翻訳しない訳にはいかない、と思って急遽翻訳しました。
いつものように誤訳したり意訳したりはしょったりしてますが、
なんとなく雰囲気は掴んで頂けるかなと思います。
原文はこちら
http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=judge/article/20090414a
という訳で、翻訳記事をどうぞ。
【↓ここから翻訳↓】
---------------------------------------------------------
A Practical Approach to Handling Altered Cards
拡張アートカードを使用する為の実用的な試み
Claire Dupre
黒枠のカードや、フォイルのカード、あるいはアジア圏のカードを
デッキに使用する事はCoolな事であるという事は皆知っていると思う。
この最近のトレンドは、ついにはトーナメントに
”改造した”カードを使用する所まで進化した。
カードの半分を塗ったり、あるいは単なる落書きであったり、その範囲は広い。
その手段がどうあれ、これらのカードは何らかの修正が加えられており、
”Alterd”(=改変された)カードである事は否めない。
そしてそれは、トーナメントシーンで使用するのには相応しくない。
-----------------------------------------
ルールはどのように主張しているのか?
まずは、どの規則が適用されるのかを最初に調べよう。
UTR28とUTR32のどちらもが、その問題に対して述べている。
UTR23
トーナメントで使用するカードは、サインまたは芸術的な修正以外の書き込みが無いものに限る。
修正は、カードを認識出来なくなる為にイラストを隠さない事が条件となる。
カードへの修正がヘッドジャッジによってルール違反と認められたならば、
上記のカードを用いたプレイヤーはDCIペナルティガイドラインの処罰の対象となる
UTR32
ヘッドジャッジは、カードの解釈に対する最高権威者である。
カードを解釈する方法に関して、より多くの細則を見たいのであれば
DCIのフロアルールを参照する。
ヘッドジャッジがまぎらわしいテキストまたはイラストを用いて、
ミスプリントのカードや多言語カードを用いていると判断するならば、
そのプレイヤーはDCIペナルティガイドラインの処罰の対象となる
ルールは、この問題に対してかなり回避的だ。
UTR23は、カードのイラストが認識できなければならないとするだけであり、
UTR32は、改変されたカードによって与えられる不正な利益に着目し、
それを利用しようとする行為を禁じようとするだけである。
ただし問題として、拡張アートカードは誤解させる気が無くとも、
カードの認識を阻害してしまう事が考えられる。
また、カードの重さ、形、柔軟性等の物理面が修正される可能性もあるので、
それらのカードは区別できるようになってしまう。
では、何が許されて、何が許されないというのだろうか?
-------------------------------------
改変 それとも 偽造?
カードが本当のMTGのカードであるかが、最初の一歩である。
レガシーやヴィンテージ等でのいくつかのカードの価格の上昇により、
イラストの改変は《灰色熊》を《Force of Will》に変える事も出来た。
それはいくら出来が良くても、偽物である。
既に、カードの偽物は昔から作られていただろう。
偽物のカードの一般的な識別方法は、カードを曲げる試験である。
本物のMagicのカードは、曲げてもまた平面に戻るだろう。
しかし、拡張アートのカードは、Magicのカードの上に描画を行う。
そのため、このテストを簡単にすり抜ける事が出来る。
---------------------------------------------
ユーモア それとも 攻撃的?
フランスの有名なユーモア主義者のPierre Desprogesは
「人は何でも笑う事が出来る、しかし、それは誰でもという訳ではない」と言った。
これは、拡張アートに関する解釈も同じ事である。
この問題は、とてもパブリックな議論である。
拡張アートが引き起こす潜在的な不快感は考えておかなければならない。
(例えば、ナチズムへの言及で議論を巻き起こした《暗黒の儀式》のように)
---------------------------------------------
イメージを修正する事
ここで、私たちは問題の核心に迫る。
マジックは、カードに書かれているテキストが重要であると同時に、
カードに描かれているイラストも重要なゲームである。
トーナメントプレイヤーの多くは、テキストでは無く、絵でカードを認識する。
時々、彼らはその絵が何かすら知らなく、大まかな形でしか知らない場合すらある。
よって、イラストによって見やすいゲーム環境を構築するため、
常に絵は簡単に認識できなければならない。
・ケース1 フレームの無いカード
”フレームレス”カードは、イラストの枠を取り払い、絵を拡大する。
《Swords to Plowshares》
http://www.wizards.com/dci/judge/images/swordstoplowshares.jpg
《Illusionary Mask》
http://www.wizards.com/dci/judge/images/illusionmask.jpg
時折、以下のようにテキストボックスすら取り除いてしまうものも出てくる。
《Teneb the Harvester》
http://www.wizards.com/dci/judge/images/teneb.png
この種の変更は、通常は大した事ではない。比較的簡単に認識が可能である。
では、ヘッドジャッジは何を禁止するのか?
拡張が混乱に繋がるのであれば、それは問題であるとされる。
キャスティング・コストや、パワー/タフネスが消えたらどうだろう?
それらは、カードの色を決定したり、クリーチャーの特性を記している。
似たような事例としては、名前やタイプ、テキストボックスの欠如だ。
しかし、これらはフレームレスのカードと、キリル文字のようなカードとで
どれほどの違いがあるというのだろうか?
《Frozen Shade》について考えてみよう。
それは、フレームレスカードは中国語のカードと同じくらい、
「飛行」の能力を持っていそうに見えてしまうだろうね。
(※訳者注 《Frozen Shade》の初期のイラストはこちら
http://gatherer.wizards.com/Handlers/Image.ashx?multiverseid=65&type=card
確かにこれは、何も言わなければ飛行を持っていると錯覚してもおかしくない。)
また、テキストが前の世紀から時代遅れだった《Illusion Mask》について考えよう
テキストがそもそもOracleテキストにマッチしていないカードの場合は、
かなりの混乱を呼ぶだろう。
(※訳者注 《Illusion Mask》のカードテキストはこちら
http://gatherer.wizards.com/Handlers/Image.ashx?multiverseid=617&type=card)
協議の結果、上記に挙げた拡張カードの3枚の内、
私は《Teneb the Harvester》にだけ、僅かに問題があるのではないかと考える。
その理由は、カードからパワーとタフネスが消えたという点である。
しかし、それは大した問題点ではない。
・ケース2 変更
技術的にカードのイメージを変えるという事は、
本来のイラストに2,3の要素を加えたか、あるいは排除した事を意味する。
今日、絵師達は色々なイラストを書き加えている。
これらの変化は、《Gemstone Mine》から《Island》
そして《Meddling Mage》にその軌跡を見る事が出来る
《Gemstone Mine》
http://www.wizards.com/dci/judge/images/gemstonemine.png
《Island》
http://www.wizards.com/dci/judge/images/viviisland.png
《Meddling Mage》
http://www.wizards.com/dci/judge/images/meddlingmage2.png
後になるに従い、変化の影響の度合いは大きくなっていく。
カードの禁止の観点から、意見はいくらか変化する事になる。
《Gemstone Mine》の例は、おそらくそこまで危険では無いだろう。
イラストはほぼ変更されておらず、テキストも多くは失われていない。
《Island》への変更は多大だ。イラストの中央とテキストをほぼカバーしている。
しかし、カード名は有名であり、そして、追加されたイラストは
元のイラスト(青のイメージ)に適合している。
また、この《Island》には他の土地カードを上に積んでいく事が出来るため、
より混乱は減らす事が出来るだろう。
《Meddling Mage》は、《island》よりも変更は小さく、
元のイラストの範囲内で保たれているが、これについては議論の余地がある。
カードを簡単に識別する事が出来ない為だ。
このパーマネントはゲームに影響を与えるため、
あなたはこのカードに常に注意を払っていなければならい。
よって、トーナメントでの使用が適当であるかどうかを考えなければならない。
オリジナルカードの特徴も考慮されなければならない。
それは、パーマネントか、ソーサリーか、インスタントか。
それがパーマネントならばどのような影響を及ぼすのか。
それは、土地か、あるいははっきりしないカードなのか。
もう一度、ゲームにどのような影響を及ぼすカードなのか?
このカードを見て欲しい。
これは、《Pernicious Deed》なのか、それとも《Juzam Djinn》か?
http://www.wizards.com/dci/judge/images/perniciousdeed2.png
もちろん、カードの内容は全てテキストに描かれている。
そして、あなたはそれが何であるかについてそれを読む必要がある。
それは、revisedの《Serendib Efreet》よりも合法的な行為だろうか?
相手がそれを理解するより前に《Remove Soul》を見せてしまったらどうだろう?
(※訳者注 mtg wikiより《Serendib Efreet》
http://mtgwiki.com/wiki/Serendib_Efreet
Revisedでは、どうやらミスプリで違った絵がプリントされていた模様です。)
上記の《Meddling Mage》の件は、それがパーマネントであるという
その事実が危険であると私たちは判断した。
------------------------------------------------------------
物理的な修正
イラストを変化させる事がもっとも顕著な変化の例であるが、
物理的なカードの変化も考慮に入れなければならないだろう。
重さおよびカードの柔軟性は、これらの問題からは遠い。
カードのマークドによる識別を考える際に、あまり重要ではない為だ。
逆に、厚みと形に関する事はやや重要な事柄となる。
・厚み
ボールペンで書いたものは、カードの裏に見える事となり、溝を創り出す。
その為、そうして拡張されたものは使ってはいけない。
絵画はとても広く普及した技術で、材料は多岐にわたる。
アクリルが素晴らしい画材である反面、油絵とガッシュはあまりに厚い。
そのため、我々はマークドされたカードを見つける手順を記載する。
デッキを一つの束にして、2枚のカードの間で空間を探しなさい。
ここのトリックは、この厚みがカードの4隅の1つだけに存在するという事だ。
フォイルカードが曲がっている場合、これらの厚みは取り除く事が出来ないだろう。
・テクスチャー
カードのテクスチャーは、厚みの項目と酷似している。
あなたがカードの表面に対して指でなぞったならば、
あなたは拡張されたカードを認める事が出来るようになるだろう。
重さや柔軟性の項目のように、これは明らかに別種の動作を必要とするため、
通常それほど注目はされない。
・形
もし、拡張されたカードの現状が完璧な状態でないならば、
カードをある特殊な状態(たとえば、曲がった状態)にする事ができた。
これは、フォイルと同じような修正を必要とされる。
フォイルをトーナメントで使うのと同じ事だ、
カードの状態を平らな状態に戻せば、きっと大丈夫だろう。
しかし、何が大丈夫で何がダメかをはっきりと線引きする事は決して簡単ではない。
古典的なマークド方法で、拡張アートカードに「新しい線」を書き加える事が出来る
それは、ヘッドジャッジにしてみれば禁止を行う為の理由となるだろう。
拡張カードを理解して貰う事は、より多くの問題を孕んでいる。
プレイヤー全員があなたが拡張カードを使っているという事を知っている訳ではない。
また、彼らはトーナメントにおいてそれほどリラックスをしている訳でもない。
しかし、ここで悲観的になってはいけない!
その線引きが難しいという問題は、フォイルに関しての問題を参照する事で
どのようにあなたが振る舞えば良いのかを理解するのに役立つだろう。
もちろん、あなたはリスクを避ける為に、
全ての拡張アードカードを排斥する事も出来る。
しかし、Magicは回りのコミュニティを構築したゲームである事を忘れてはいけない。
Magicをプレイする時、多くのプレイヤーは、
彼らの好きなカードを使い、楽しみたいと思っているはずだ。
拡張アートはフォイルや日本語版のカードと同じように、
そうした楽しみを行う為の一つの方法であると言えるだろう。
最後に、Kevin Desprezに校正と翻訳を、そしてカードの資料を頂いたcardkittyに対して感謝したい。
--------------------------------------------
【↑ここまで翻訳↑】
…何というか、思ったよりも遥かに好意的な記事でびっくり。
なんかWotcって著作権に厳しいとか聞いてたので、
実際に拡張アートのカードを引っ張ってきてまで解説するとは。
しかも、この方の言っている内容を要約すると
・拡張アートってのが最近流行ってるね、Coolだね
・テキストボックス潰したり絵そのものを潰すのはちょっとマズいかもね
(=イラストをちょっと拡張するだけならあまり問題無いね)
・Magicは楽しむゲームだよね! 拡張アートカード使うの楽しそうだね!
・でも結局最後はヘッドジャッジ次第だね
という事で、拡張アートに関してはかなり前向きなのではないかと思います。
これが公式記事として載ってるんだから、そりゃ勇気付けられるってもんですよ。
Wotcからのお墨付き(?)も貰い、
名古屋や東京の大会主催者さんの「使いたければ使えば?」というお言葉も頂き、
とりあえず草の根大会で使う分にはほぼ大丈夫という事になりつつあります。
なので
拡張アートカードを使うのが怖い人は、積極的に使いましょう!
拡張アートに手を出すのを躊躇っている人は、是非手を出してみましょう!
と、布教活動にいそしむわたくしでした。
コメント
公式見解が予想以上に好意的で驚きです。
個人的には見るのも楽しいでどんどん使って欲しいですね!
頑張ってフル拡張アート化を目指してみます。
>どうしてもレアにはまだ手が出ませんねw
一枚やっちゃえば余裕っすwww(←無責任)
これは凄く好意的ですね…黙認するのかと思ってましたがわざわざこういう記事を書くとは。
でもあんまりマイナーなカードのテキストレス化はちょっとマズイ気がしないでもないですね
俺テネブとか使われたら確実にジャッジ読んでテキスト見せてもらうと思いますw
参加します。
yasuさんも拡張アート頑張ってくださいな!
http://www.wizards.com/dci/judge/images/viviisland.png
《Island》への変更は多大だ。イラストの中央とテキストをほぼカバーしている。
しかし、カード名は有名であり、そして、追加されたイラストは
元 の イ ラ ス ト ( 青 の イ メ ー ジ ) に 適 合 し て い る 。
やりおるw
欲しいwww
これからも頑張って拡張アートのカード使いますよー!
暇があればグリクシス的なカードも拡張してみますw
>EXTRAさん
Wotc公式からお墨付き(?)が貰えたという事で
一緒に頑張っていきましょう!
>スカルクランプさん
相変わらずグレーゾーンなのは間違いないので、
その辺りは節度を持って、という事でしょうねー。
>亡骸さん
やりたいならやってもいいよ。希望者っているのかどうかしらんけど。
>マルシェさん
腕の方がへっぽこで全然追いつけてないですが、
偉大な先人達に少しでも追いつけるよう日々努力します!
>りゅーさん、通りすがりさん、貧乏デッキ製作馬鹿さん
島を書いたのは、かの有名なcardkittyさんですねー
(おそらく、世界で一番拡張アートを頑張ってる方)
結構日本のアニメ調の女の子が向こうでもウケがいいみたいですw