今回の夏の陣が最後となるfinals予選。
プレミア予選への権利を勝ち取るため、あるいはByeを勝ち取るためには、
まず初戦を落とさずに勝利する事が非常に重要となる。
その大事な初戦、早くも火花を散らしているテーブルが1卓。
千葉(青黒フェアリー)と小林(青黒フェアリー)の対戦である。
千葉は最近色々と話題を巻き起こしているプレイヤーである。
最近ではその叫び大口っぷりがますます板に付いてきた感があるが、
決して口だけではなく、マジックの腕も確かなものであり、
finals予選冬の陣にて1位通過し、プレミア予選への権利を既に勝ち取っている。
また、本年の日本選手権北海道予選を1位で通過し、本戦の権利を獲得している。
日本選手権本戦ではその実力を遺憾なく発揮してくれる事だろう。
小林は、以前は北海道を中心に活動を行っていたが、
今は関東へと引っ越し、そちらを中心に活動を行っているプレイヤーだ。
何と高校ではマジック部の部長を務めていたという実績を持ち、
先日行われたGP神戸にも参加しており、こよなくマジックを愛する様子が伺える。
そんな彼はこの夏、一ヶ月ほど北海道へと帰ってきており、
本日は半ばゲスト的な位置づけとしてfinals予選へ参加している。
二人に試合前の心意気を聞いてみると
千葉は「まあ、消化試合やろ」と余裕の表情。
小林は、それに対抗するように「ま、まあ、消化試合ですね」と返す。
かくして、1戦目の幕は開かれた。
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Game 1
先手は千葉。
フェアリーの最強武器である《祖先の幻視》と《苦花》が無いものの
序盤を凌いで後に繋げよう、といった算段か。
千葉は《島》をセットしてエンド、小林も《島》をセットしてエンド。
1ターン目はお互い静かな立ち上がりだ。
2ターン目、千葉は《沼》をセットし、ターンを渡す。
小林は《島》をセットし、何もアクションが無いままエンドを宣言。
千葉はエンド宣言に合わせて《呪文詰まりのスプライト》をプレイする。
場に出たスプライトは、1点クロックとして千葉の力となる。
3ターン目、千葉は《地底の大河》をセットしてエンド。
ここで、何故か小林が怪訝な表情をして《地底の大河》を見る。
基本カードである《地底の大河》を知らない、という事はまさか無いだろうが、
小林は《地底の大河》を何度も確認し、暫くした後にゲームを進める。
小林のターン、千葉は《ヴェンディリオン三人衆》をプレイ。
確認したハンドは
千葉は《ウーナの末裔》をボトムに送る事を宣言する。
小林は《やっかい児》を盤面に送り出し、何とか千葉に対抗しようと試みる。
場に出たクロックで攻め立てる千葉、何とか反撃の機会を待つ小林。
暫くの間、ダメージレースが繰り広げられるも、
クロックの大きさから千葉が有利な展開が続く。
その均衡を崩そうと先に動いたのは小林。
《名も無き転置》をプレイし、相手のクロックを減少しようと目論む。
しかし、対応して千葉がプレイしたのは《ウーナの末裔》。
クロックを減少させるどころか、藪蛇で逆に増やしてしまう結果となる。
末裔をカウンターしようとするも、千葉は《ルーンのほつれ》でケア。
一気に増強されたフェアリー軍団の前に、小林が打てる手は無かった。
千葉 1-0 小林
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Sideboarding
1戦目が終わった所で事件は発生した。
小林はポツリと「今日、ブロック構築の大会かと思ってた」と呟いたのだ。
その呟きにツッコミを入れる一同。
なるほど、《地底の大河》を見た時の不可解な顔はその為か。
小林は《祖先の幻視》や《ルーンのほつれ》といった優秀カードを使えないまま
不本意ながらも非常に辛い戦いを強いられる結果となってしまう。
しかし、試合が始まってしまった後で気がついても後の祭。
やや落胆した表情ながら、小林はサイドボーディングを始める。
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Game 2
先手は小林、《沼》を置いてターンを渡す。
千葉は《島》をセットし、悠々と《祖先の幻視》をセットする。
早くもスタンダードとブロック構築の差を見せつけられる小林。
《祖先の幻視》が解ければ待っているのは絶望的なアドバンテージ差。
焦る小林。しかし、彼は2ターン目に《苦花》をセットする事が出来ないまま
苦しい表情で千葉へとターンを渡す。
千葉も2ターン目に《苦花》をセットする事は出来ず、ドローゴー。
3ターン目、小林は有効なアクションが出来ないまま、ターンを終える。
と、そこに併せて千葉が《呪文詰まりのスプライト》をキャスト。
1ゲーム目と同じく、スプライトによるビートダウンを試みる。
そして、千葉の3ターン目。山の上から引いたカードは、何と《苦花》。
引きの強さを見せつけながら、千葉は《苦花》をセット。
小林の手札に、それを阻止する術は無く、場に出てしまう。
《祖先の幻視》と《苦花》という、
フェアリーの”勝利フラグ”とも言うべきカードが二つとも場に出てしまい、
小林は青ざめた表情を浮かべる。
しかも、小林は更に不運な事に、土地が3枚で止まってしまう事故に見舞われる。
《霧縛りの徒党》や《謎めいた命令》といった、主力カードを使うためには、
4マナ域へのアクセスが止まる事は致命的となりえる。
小林は何とかこの場を凌ごうと、《ウーナの末裔》をプレイするが
千葉の《コショウ煙》によって、除去された上にカードをドローされてしまう。
勢いに乗って《祖先の幻視》と《苦花》を構えて攻め立てる千葉。
そのどちらも無く、土地が3枚で止まったままの小林。
彼が待望の4枚目の土地を引く頃には、
既に差は絶望的な程に開いてしまっていた。
小林が一縷の望みを掛けてプレイした《誘惑蒔き》も、
当然のように千葉の《ルーンのほつれ》によってカウンターされる。
小林は天を仰ぎ、負けを認めた。
千葉 2 - 0 小林
千葉 Victory!
-------------------------------
試合後、簡単なインタビューを行った。
― まずは、勝利おめでとうございます。
千葉「わいが勝つのは当たり前やろ、何を言っとるんや」
― そ、それは申し訳ありません。
今回はフェアリーミラーでしたが、何かそれについての感想は?
千葉「いやー、コショウ煙が刺さったな。このカードは強いわ」
― ありがとうございます。 残りの試合も頑張ってください。
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次回予告
R2 中山(赤スライ) vs 阿部(赤単)
どちらも赤を軸に、相手へと攻め立てるデッキ構成。
しかし、ミラーマッチかと思いきや、全く構成の違う両者のデッキ。
中山のデッキは誰もが驚く赤スライタッチ《雲打ち》
阿部のデッキは亜神無し、1マナ域23枚の赤単スライ
という、現行の流行である赤単とはひと味違ったデッキとなっている。
文字通りの「熱い戦い」を制するのはどちらか、乞うご期待。
プレミア予選への権利を勝ち取るため、あるいはByeを勝ち取るためには、
まず初戦を落とさずに勝利する事が非常に重要となる。
その大事な初戦、早くも火花を散らしているテーブルが1卓。
千葉(青黒フェアリー)と小林(青黒フェアリー)の対戦である。
千葉は最近色々と話題を巻き起こしているプレイヤーである。
最近ではその叫び大口っぷりがますます板に付いてきた感があるが、
決して口だけではなく、マジックの腕も確かなものであり、
finals予選冬の陣にて1位通過し、プレミア予選への権利を既に勝ち取っている。
また、本年の日本選手権北海道予選を1位で通過し、本戦の権利を獲得している。
日本選手権本戦ではその実力を遺憾なく発揮してくれる事だろう。
小林は、以前は北海道を中心に活動を行っていたが、
今は関東へと引っ越し、そちらを中心に活動を行っているプレイヤーだ。
何と高校ではマジック部の部長を務めていたという実績を持ち、
先日行われたGP神戸にも参加しており、こよなくマジックを愛する様子が伺える。
そんな彼はこの夏、一ヶ月ほど北海道へと帰ってきており、
本日は半ばゲスト的な位置づけとしてfinals予選へ参加している。
二人に試合前の心意気を聞いてみると
千葉は「まあ、消化試合やろ」と余裕の表情。
小林は、それに対抗するように「ま、まあ、消化試合ですね」と返す。
かくして、1戦目の幕は開かれた。
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Game 1
先手は千葉。
《呪文詰まりのスプライト》というハンドを少し悩んだ後にキープ。
《ルーンのほつれ》
《ルーンのほつれ》
《ヴェンディリオン三人衆》
《名も無き転置》
《島》
《沼》
フェアリーの最強武器である《祖先の幻視》と《苦花》が無いものの
序盤を凌いで後に繋げよう、といった算段か。
千葉は《島》をセットしてエンド、小林も《島》をセットしてエンド。
1ターン目はお互い静かな立ち上がりだ。
2ターン目、千葉は《沼》をセットし、ターンを渡す。
小林は《島》をセットし、何もアクションが無いままエンドを宣言。
千葉はエンド宣言に合わせて《呪文詰まりのスプライト》をプレイする。
場に出たスプライトは、1点クロックとして千葉の力となる。
3ターン目、千葉は《地底の大河》をセットしてエンド。
ここで、何故か小林が怪訝な表情をして《地底の大河》を見る。
基本カードである《地底の大河》を知らない、という事はまさか無いだろうが、
小林は《地底の大河》を何度も確認し、暫くした後にゲームを進める。
小林のターン、千葉は《ヴェンディリオン三人衆》をプレイ。
確認したハンドは
《霧縛りの徒党》といった顔ぶれ。
《ウーナの末裔》
《やっかい児》
《名も無き転置》
《誘惑蒔き》
千葉は《ウーナの末裔》をボトムに送る事を宣言する。
小林は《やっかい児》を盤面に送り出し、何とか千葉に対抗しようと試みる。
場に出たクロックで攻め立てる千葉、何とか反撃の機会を待つ小林。
暫くの間、ダメージレースが繰り広げられるも、
クロックの大きさから千葉が有利な展開が続く。
その均衡を崩そうと先に動いたのは小林。
《名も無き転置》をプレイし、相手のクロックを減少しようと目論む。
しかし、対応して千葉がプレイしたのは《ウーナの末裔》。
クロックを減少させるどころか、藪蛇で逆に増やしてしまう結果となる。
末裔をカウンターしようとするも、千葉は《ルーンのほつれ》でケア。
一気に増強されたフェアリー軍団の前に、小林が打てる手は無かった。
千葉 1-0 小林
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Sideboarding
1戦目が終わった所で事件は発生した。
小林はポツリと「今日、ブロック構築の大会かと思ってた」と呟いたのだ。
その呟きにツッコミを入れる一同。
なるほど、《地底の大河》を見た時の不可解な顔はその為か。
小林は《祖先の幻視》や《ルーンのほつれ》といった優秀カードを使えないまま
不本意ながらも非常に辛い戦いを強いられる結果となってしまう。
しかし、試合が始まってしまった後で気がついても後の祭。
やや落胆した表情ながら、小林はサイドボーディングを始める。
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Game 2
先手は小林、《沼》を置いてターンを渡す。
千葉は《島》をセットし、悠々と《祖先の幻視》をセットする。
早くもスタンダードとブロック構築の差を見せつけられる小林。
《祖先の幻視》が解ければ待っているのは絶望的なアドバンテージ差。
焦る小林。しかし、彼は2ターン目に《苦花》をセットする事が出来ないまま
苦しい表情で千葉へとターンを渡す。
千葉も2ターン目に《苦花》をセットする事は出来ず、ドローゴー。
3ターン目、小林は有効なアクションが出来ないまま、ターンを終える。
と、そこに併せて千葉が《呪文詰まりのスプライト》をキャスト。
1ゲーム目と同じく、スプライトによるビートダウンを試みる。
そして、千葉の3ターン目。山の上から引いたカードは、何と《苦花》。
引きの強さを見せつけながら、千葉は《苦花》をセット。
小林の手札に、それを阻止する術は無く、場に出てしまう。
《祖先の幻視》と《苦花》という、
フェアリーの”勝利フラグ”とも言うべきカードが二つとも場に出てしまい、
小林は青ざめた表情を浮かべる。
しかも、小林は更に不運な事に、土地が3枚で止まってしまう事故に見舞われる。
《霧縛りの徒党》や《謎めいた命令》といった、主力カードを使うためには、
4マナ域へのアクセスが止まる事は致命的となりえる。
小林は何とかこの場を凌ごうと、《ウーナの末裔》をプレイするが
千葉の《コショウ煙》によって、除去された上にカードをドローされてしまう。
勢いに乗って《祖先の幻視》と《苦花》を構えて攻め立てる千葉。
そのどちらも無く、土地が3枚で止まったままの小林。
彼が待望の4枚目の土地を引く頃には、
既に差は絶望的な程に開いてしまっていた。
小林が一縷の望みを掛けてプレイした《誘惑蒔き》も、
当然のように千葉の《ルーンのほつれ》によってカウンターされる。
小林は天を仰ぎ、負けを認めた。
千葉 2 - 0 小林
千葉 Victory!
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試合後、簡単なインタビューを行った。
― まずは、勝利おめでとうございます。
千葉「わいが勝つのは当たり前やろ、何を言っとるんや」
― そ、それは申し訳ありません。
今回はフェアリーミラーでしたが、何かそれについての感想は?
千葉「いやー、コショウ煙が刺さったな。このカードは強いわ」
― ありがとうございます。 残りの試合も頑張ってください。
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次回予告
R2 中山(赤スライ) vs 阿部(赤単)
どちらも赤を軸に、相手へと攻め立てるデッキ構成。
しかし、ミラーマッチかと思いきや、全く構成の違う両者のデッキ。
中山のデッキは誰もが驚く赤スライタッチ《雲打ち》
阿部のデッキは亜神無し、1マナ域23枚の赤単スライ
という、現行の流行である赤単とはひと味違ったデッキとなっている。
文字通りの「熱い戦い」を制するのはどちらか、乞うご期待。
コメント
GPじゃね?
「先日」じゃなくて、「2年前」だとあってる罠www
ご指摘ありがとうございます、訂正しておきました。
>カズさん
実はそうだったんですよ! …と言いたい所ですが、PTが神戸であった事すら知りませんでしたw